すんなり納得してもらう上手な説得のコツ:ポイントは共感

誰かをどうしても説得したい時、あなたならどうしますか?

一生懸命説明しても、なかなか分かってもらえないこと、ありますよね。

 

  • 説得するために情報やデータを使う
  • 説得力を持たせるためのテクニックを身につける
  • 心理術を使う

などの方法もありますが。

 

実は、もっと簡単に、すんなり納得してもらえる効果的な方法があります。

それは「たとえ話」を使うこと、です。

 

相手の胸にストンと落ちるような「たとえ話」を思いつくことができれば、もう半分以上説得できたと言っても言い過ぎではありません。

 

 

納得して、共感してもらう

 

上手に説明すれば、相手に納得してもらうことはできます。
でも、納得させるだけでは、まだ説得できたとは言えません。
「あなたの言いたいことは分かったけど…。」という段階です。

さらに、相手に共感してもらえると、説得力は格段にあがります。
「わかるわかる!」「そうそう。私も同じだよ!」という状態です。
ここまでくれば、相手を説得できるまで、あと一歩です。

納得するだけでなく、さらに共感してもらうのに効果的な方法が「たとえ話」なのです。

 

相手の立場を想像するより、自分のことを想像する方がずっと簡単

 

あなたが自分の立場で説明をする時、相手は、こちらの状況や気持ちを想像しながら話を聞くことになります。

もともと、あなたと相手は別な人間です。
意地悪な言い方をすると、しょせんは他人事なのです。
しかも想像力には個人差があります。

最初は意見が対立していた場合は、さらに厄介です。
説明を聞いてたとえ頭では納得したとしても、「あなたはそうかもしれないけど、私は…。」というマイナスの気持ちが邪魔をします。

一方、相手の立場を想像することに比べると、自分のことを想像するのはずっと簡単です。

 

そこで。
説得する相手を主人公にした「たとえ話」を使って、こちらの状況や気持ちを伝えるのです。

相手は「たとえ話」を聞きながら、自分のこととして具体的に、しかも簡単に状況を想像することができます。
そして、納得するだけでなく、素直に共感してくれるのです。

 

「たとえ話」を使って上手に説得

 

実際に「たとえ話」を使って説得した、私の例を2つご紹介します。

1. 息子の担任の先生を説得

息子は6年生になった頃から、ほとんど学校へ行けなくなりました。

他の子が着ている服の洗剤や柔軟剤のニオイが原因で、頭が痛くなったり、具合が悪くなったりするのです。
いわゆる「香害」ですね。

実は4年生の頃から兆候はあったのですが、ハッキリ理由が分かったのは5年生の時でした。

 

もともと私自身も洗剤や柔軟剤のニオイが苦手(しかも偏頭痛持ち)なので、家ではニオイの無いものを洗濯に使っています。

各家庭の色々な洗剤や柔軟剤のニオイが混ざって、教室内は大変ことになっているようです。
息子が一日学校へ行くと、服からランドセルまで、しっかりニオイがくっついて帰ってきました…。

 

担任の先生に事情を話した時の会話です。

クラスの子が着ている服の洗剤のニオイが原因で、頭が痛くなったり、具合が悪くなってしまうんです。

先生

そんなこともあるんですね。

最近、やたらとニオイの強い洗剤が流行っていますが、先生は気になりませんか?
「香害」という言葉もあるくらいなのですが。

先生

はぁ…。私はそんなに気になりませんけど。
「香害」という言葉があるんですか。

 

なかなか分かってもらえそうにないので、考えておいた「たとえ話」を話してみました。

 

先生は、たばこは吸われますか?

先生

いえ。吸いません。(キッパリ)

では、たばこの煙のニオイはお好きですか?

先生

いやぁ。大嫌いですね。
喫煙室から出てきた人のニオイも嫌ですね。

吸う人は自分のニオイに気づいていなくても、吸わない人にはすぐ分かりますよね。

先生

確かに。すぐに分かりますね。(深くうなずく)

息子にとって、洗剤のニオイが充満した教室に一日中いることは、先生が、喫煙室で一日中過ごしているような感じなんです。

 

 

先生

……!

それは…。だいぶツライですね。
そんな感じなんですか…。よく分かりました。

 

それ以降、学校を休む理由のことで何か言われることは、一度もありませんでした。

 

2. 親を説得

今回ベルリンへ引越しすることを親に話したのは、手続きなどの準備を始めた頃でした。

まだ行き先の国も決まっていない頃に、「できれば海外に引越したい」という話をしました。

そして。その次の報告が、「来年の3月にドイツへ行く」だったのです。
怒って当然ですよね(苦笑)。

でも、それには理由がありました。
絶対に反対されると分かっていたからです。

たとえどんなに強い気持ちがあっても、まだ具体的に決まっていない、自分の中に少しでも迷いがある状態の時に反対されたら…。
そう思って、もう後へは引けない段階になるまで、あえて話さないでおいたのです。

案の定、母は怒っていました。
そして、行かないでほしいと言いました。

私は、この時のために、よくよく考えておいた「たとえ話」をしました。

 

母はしばらく黙っていました。

 

そして一言、「分かった。」と言いました。

さすがに少々申し訳ない気がしたので、追加で説明をしようとしたら、
「もうその話は良いよ。よく分かったから。」とのこと。

私の立場や気持ちに共感して、しっかり納得してくれた、確かな手応えを感じました。

 

もともと少し離れたところに住んでいたので、日本にいても実際に会う機会は年に1~2回しかありませんでした。
そのかわりにスカイプで毎週連絡を取っていたのです。

「スカイプで話せば、日本にいてもドイツにいても、あまり変わらないよ。時差はあるけどね。」

「二人とも海外旅行に行ったことないんだから、この機会に遊びに来たら良いよ!」

今は父母共に、私たちの新しい生活を応援しながら、報告を楽しみにしてくれています。
まずはパスポートを取ると言って、はりきっています(笑)。

 

※この時の「たとえ話」は少し特殊な内容なので、ここでは省略させて頂きます。

 

まとめ:すんなり納得してもらう上手な説得のポイント

 

  • たとえ話」を使うと、相手は簡単にすんなり納得してくれます。
  • 人は、相手の立場を想像するより、自分のことを想像する方がずっと簡単にできるからです。

 

誰かを説得したい時、説明してもなかなか分かってもらえない時は、「たとえ話」を使ってみてください。

「たとえ話」を使ってわかりやすく伝えることで、上手に相手を説得することができますよ。

ぜひ試してみてください。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

みなさま、はじめまして。 「空色かえる」の「あくてぃ」と申します。 2018年からベルリンに住んでいます。かえるのイラストは息子が描いています。