「同じことを何回言っても分かってもらえない」
そんなお悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。
今回は「その1:あなたの気持ち、実は伝わっていない?!」の続きです。
なかなか分かってくれない人に、たとえ話を使って伝える方法をご紹介します。
具体的な例を考えてみました。
わかってくれない旦那さん と 子育て中のお母さん
あなたは小さなお子さんのお母さんです。
夫さんは仕事が忙しく、毎日帰りが遅いです。
残業のついでに、会社の人と夕食を食べてくることもよくあります。
夫さんはご飯を家で食べるのか、食べないのか連絡をくれません。
あなたは困っています。
お母さんは忙しい家事と子育ての合間を縫ってご飯の支度をしなければなりません。
夫さんはご飯の用意がちゃんと出来ていないと機嫌が悪くなるので、それなりに準備が必要です。
もし今夜は家で食べないと分かっていれば、自分と子供たちだけで、あるものをちゃちゃっと食べられるのに。
あいた時間で、子ども達と遊んだり絵本を読んだり、自分のために時間を使ったりできるのに。
でも連絡をくれないので、食べる、食べないに関係なく、毎日夫さんのご飯の用意をすることになります。
これは、とても大変なことです。
LINEで一言「今日は夕飯いらない」と送るのに、1分もかかりません。
ご飯の支度をしている時に限って、子供がぐずったり、物を壊したり散らかしたり、トラブルを起こしたりするものです。
お子さんが乳幼児の場合は目を離すと危険なことがたくさんあるので、ご飯の支度中でもお母さんは気が気ではありません。
年に数回くらいなら仕方がないとも思えるかもしれませんが、週に何度もこんなことがあると、さすがに参ってしまいます。
そこで夫さんにこんなお願いをしてみました。
「残業で忙しくてそれどころじゃなかった。家で食べるつもりっだったけど、急に食事に誘われた。ぼくが食べなくても、用意したおかずは明日のお昼に食べれば良いじゃない。」
「食べないって分かっていたら用意しなくてすむでしょ。子供たちを見ながら支度をするのは大変なんだから。」
「……分かったよ。」
一応「分かった」と言ってくれましたが、本当に分かってくれたのでしょうか?
翌日は連絡が来ました。
「ああ良かった。」と思ったのも束の間、また数日後には連絡をくれなくなりました。
仕方がないので、またお願いする。また忘れる。またお願いする。
こんなことを繰り返していると、お母さんもさすがに我慢の限界です。
分かってくれない人に上手に伝える
「何度も言ってるのに、なんで分かってくれないの!」と怒りスイッチを入れる前に、たとえ話を使って伝えてみましょう。
あなたの状況を夫さんに置き換えて、たとえ話を考えます。
- あなた→夫さん
- 子ども達→夫さんの同僚、後輩
- 夫さん→夫さんの上司
ちゃんと聞いてくれそうなタイミングを狙って、こんな風に話してみてください。
「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど。これから話すことを最後まで聞いて、あなたがどう感じたか教えてほしい。」
あなたの部署では、毎週月曜日に報告会があり、あなたはその資料作りを任されています。
仕事は忙しく、毎日残業しています。
とくに忙しい時に限って同僚がミスをして一緒に後処理したり。
後輩が大事なファイルが見つからないと言って一緒に探したり。
そんな日々の忙しい仕事の合間を縫って、資料をまとめる時間をなんとか作っています。
毎週の報告会と言っても必ずあるわけではなく、急な予定が入ると中止になります。
そして、あなたの上司は報告会の予定を連絡してくれません。当日の時間ギリギリになってもです。
でも、「今日は中止かな」と思って資料を用意しておかないと怒られます。
仕方がないので毎回資料の用意をしているけれど、かなりの確率で直前に中止になります。
さすがに毎週こんなことが続くと大変なので、あなたは上司に頼んでみました。
「資料作りが大変なので予定を教えてほしいです。当日の朝でも良いので連絡がほしいです。」
ところが上司は
「他の仕事で手が離せなくて連絡できなかった。」
「朝はやるつもりだったけど、急に別な会議が入った。」
「社長に言われて急に予定が変わった。」
「どっちにしても資料を作っておけば皆の役に立つんだから、まあ良いじゃないか。」と取り合ってくれない…。
話を聞いているうちに、夫さんの表情がだんだん変わってくるはずです。それを見逃さないようにしてください。
そして最後まで話してから、静かに尋ねてみてください。
「毎日こんな状況が続いたら、あなたはどんな気持ちになる?」
もしも「それは…嫌だね。」と返事が返ってきたら、すかさず
「私も、あなたが連絡してくれないと、同じ気持ちなんだよ。」と言ってみましょう。
大切なのは、相手の口から「嫌だ」という言葉を引き出すようにすることです。
あなたの方から「嫌でしょう?」とは言わない方が良いのです。
もし、ちゃんと伝わっていたら、「あぁ。そうだったのか。」という顔になっているはずです。
ここで、もう一度ゆっくり静かに頼んでみましょう。
「ご飯を家で食べるのか、食べないのか連絡してほしい。ラインで良いから一言知らせてほしい。」
話す時のポイント
大事なポイントが4つあります。
- 最後まで落ち着いて話を聞いてもらえるタイミングを狙う。
- 感情的にならないよう、冷静に、たんたんと話す。
- たとえ話は、なるべく具体的に、相手がリアルに想像しやすい内容を考える。
- 相手の表情の変化を見逃さないように、よく観察する。
すんなり共感してもらえる「たとえ話」
人が困っている話を聞いてたとえ納得できたとしても、その人の状況や気持ちまで想像することは難しいことです。
ましてや、その人のために自分の行動を変えるように頼まれても、すぐに変われる人は、なかなかいません。
一方、たとえ話を聞いて自分が困っている状況をリアルに想像することが出来ると、相手の困っている状況はもちろん、気持ちまですんなりと理解して共感することができるのです。
たとえ話を使ってわかりやすく上手に伝えることで、相手の心を動かすことができます。
心が動けば、その人の行動が変わる可能性も出てくるのです。
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「家でご飯を食べないときは連絡してくれないかな。電話じゃなくて良いから、ラインでも良いから一言知らせてほしい。」