説明の目的は「自分の伝えたいことを、相手にわかってもらうこと」です。
相手に分かってもらうためには、
「自分が話したいように伝える」のではなく、
「相手にとってわかりやすい話し方で伝える」ことが大切です。
そして、説明が上手な人は「たとえ話」を上手に使っています。
「たとえなんて、普段そんなに聞かないけど?」と思う方もいるかもしれません。
そんなあなたも、今日すでに「たとえ」に出会っているはずです。
「たとえ」とは?
「たとえ」は漢字で書くと「例え」です。
つまり、「例」なのです。
私たちのまわりには、この「たとえ(例)」がたくさん使われています。
- 例題・例文
算数、英語、なんでも良いです。
教科書を開くと、必ず「例題」や「例文」が載っていますね。
漢字ドリルも、必ずその漢字を使った言葉の例が一緒に載っています。
- 記入例
役所に行くと、申請書類を書くテーブルに必ず「○○太郎」の名前で記入例が貼ってあります。
色々な申込書にも、たいてい記入例がくっついています。
- ショーウインドー
店のショーウインドーには店内の商品が飾ってあります。
特に洋服を売っている店では、中に入らなくてもマネキンが着ている服を見れば、「ココにはこんな雰囲気の服を売っているのだな」と分かります。
- 商品説明
テレビショッピングでは色々な商品が紹介されています。
掃除用洗剤の説明をする時に「どんな汚れでも簡単に落ちます!」と言葉で言うだけでは、あまり説得力はありません。
でも、油でベタベタに汚れた台所を「たとえば、こんなに頑固な汚れもひと吹きでさっぱり!」とやってみせれば、見ている人は「おおっ」となります。
- レシピ
スーパーの食品売り場に「この食材を使って、たとえばこんなおかずが作れます」とレシピが貼ってある場合がありますね。おいしそうな写真を見て「作ってみようかな」と思ったことはありませんか?
今夜の献立が決まらずに買物しているお客さんは、このレシピを見て買ってくれる可能性大です。
実際、このような工夫をしている商品や売り場は売り上げが良いはずです。
これだけ色々なところに「たとえ(例)」が使われているのですから、あなたが説明する時に利用しない手はありません。
「例え」を使うと、なぜ分かりやすい説明になるのか?
話を聞いている人は「たとえ」を聞く(見る)ことによって、説明されている内容と、自分の体験や知識を関連付けることができます。
- 抽象的な話が具体的になる
- 自分に関係があることとしてイメージすることができる
その結果として、わかりやすい説明になるのです。
「例え話」を使ってわかりやすく伝えよう
実際に「たとえ」を使って説明する場合を考えてみましょう。
1. 誰にでもわかる「たとえ」を使ってみる
「何かを習得する時には、基礎をしっかり固めることが大切だ」
という話をする場合を考えてみます。
大人なら言葉の意味はもちろん分かりますね。みなさん「そりゃそうだ」と思うはずです。
ここで、この話をつみ木に例えて説明してみます。
つみ木を積み上げるところを想像してください。
一段目をきっちりスキマなく並べると、二段目からも上手に積むことができます。
土台がしっかりしているので、三段目、四段目と高く積み上げても安定しています。
逆に、一段目がスキマだらけだったらどうでしょうか。
二段目は何とか積めると思います。でも土台が不安定なので、もっと高く積もうとすると崩れてしまうかもしれません。
だから、土台(基礎)をしっかりキッチリ固めることが大切なのです。
いかがでしょうか。
頭の中に積み木のイメージが浮かぶので、「なるほど感」がアップすると思います。
そして、この積み木のたとえなら子どもでも分かってくれそうです。
2. 相手に合わせた「例え」を使ってみる
「細かいところも大切だけれど、全体のバランスを考えることも大切」
という話をする場合を考えてみます。
大人なら言葉の意味は分かります。またまたみなさん「そりゃそうだ」と思うはずです。
ここで、説明する相手に合わせた「たとえ」を使ってみます。
- 将棋が好きな相手には
「一手一手も大切ですが、大局観も大切です」 - 習字が好きな相手には
「とめ・はね・はらいの形も大切ですが、文字の配置も大切です」 - マラソンが好きな相手には
「ランニングフォームも大切ですが、ペース配分も大切です」
将棋をよく知らない人は「大局観」と言われてもピンと来ないかもしれません。
でも将棋好きの人にとっては、ピンポイントで「なるほど感」がアップします。
わかりやすい説明のコツは「たとえ」を上手に使うこと
説明する内容を、さらにスッキリ理解してもらうために「たとえ」を上手に使ってみましょう。
相手は具体的なイメージを思い浮かべることができるので、あなたの説明は格段にわかりやすくなります。
ぜひ試してみてください。
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