ある雨の日。
息子が、珍しくしかめっ面をして学校から帰って来ました。
帰りに学校の最寄り駅近くで転んだのだそうです。
左手に傘を持っていたので、右足のひざと右手を強打。
けっこう痛かったようで、少し駅のベンチで休んでから帰ってきたとか。
右ひざは、ばっちり青タンになっています。
右手は動かすと痛いようですが、特に腫れているわけでもなく外傷もありません。
念のため少し冷やしながら簡単に固定しておきましたが、特にひどくなる様子もないので、「軽い捻挫と打撲かな。まあ大丈夫だろう。」と思っていました。
翌朝になって、「手と足が痛いから学校を休みたい。」と言い出しました。
でも、そんなに重症でもないのに学校を休むなら「病院に行くから欠席します。」とか言っておかないとね…。
良い機会なので、整形外科の下見も兼ねて病院に行ってみることにしました。
ドイツの病院は予約が必要
ネットで整形外科を調べて、家からそこそこ近い病院の予約を取りました。
ドイツの病院は、ほとんどのところが予約制です。
緊急の場合は飛び込みで診てくれる場合もあるようですが、基本的に予約が必要です。
予約は電話受付のところが多いですが、ネットで予約できる病院もあります。
ホテルみたいな整形外科
- パスポート
- 住民登録
- 保険の証書
を持って、予約時間に病院へ。
「Ärztehaus」と呼ばれる病院と薬局が集まっている施設です。医療センターという感じでしょうか。
古いけれど立派な建物で、中へ入ると扉や壁、天井の装飾がすごい豪華なところでした。
ホテルのフロントかしらと思うような受付で優雅に座っているおばさまに、ドイツ語でおそるおそる
「えっと。予約してあるのですが…。」と声をかけます。
必要な書類を渡して受付を済ませ、少し待っていると白衣を着た眼鏡のおじさん先生がやってきました。
そして、開口一番
「こんにちは。英語とドイツ語、どちらが良いですか?」ときいてくれました。
「(ありがたい!)すみませんが、英語でお願いします。」
「息子が駅で転んで、右手と右ひざを痛めました。」
「どこの駅ですか?学校の行き帰りですか?」
「学校の帰りです。」
「ああ。それでは、残念ながらウチでは診ることができません。」
「え。」
学校の行き帰りのケガは事故扱いになるので、事故専門の病院へ行くように言われました。
「受付で病院の案内をあげます。ここから歩いて行けますよ。無料で診てもらえます。では、お大事に。」
事故専門の整形外科
というわけで、教えてもらった病院まで、10分くらいテクテク歩きました。
またまた別な「Ärztehaus」です。
事情を話すと、すぐに受付してくれました。
そして、転んだ時の状況を少し質問されました。
少し待っていると、今度は白衣を着た眼鏡のお姉さん先生がやってきました。
そして、またまた開口一番
「こんにちは。英語とドイツ語、どちらが良いですか?」ときいてくれました。
「(ありがたい!)すみませんが、英語でお願いします。」
でも、早くドイツ語で説明できるようになりたいなぁ…。
手の方はずいぶん丁寧に診察してくれて、特に問題ないだろうとのことでした。
息子本人は足よりも手の方が痛かったようですが、先生は足の方を気にしていて、念のためレントゲンを撮ることになりました。
レントゲンを撮って少し待っていると、今度は髭のおじさん先生が出てきました。画像を見ながらお姉さん先生といろいろ話しています。
一生懸命聞いていましたが、残念ながら全く分からず。
気になる結果は…?
「大丈夫。問題なしです。骨にも異常はありません。」
「良かった!」
まあ。そうは言っても最初から病院に行くほどのことではないと思ってはいたのですがね(苦笑)。
お姉さん先生が右ひざに痛み止めを塗って包帯を巻いてくれました。
「1~2週間くらいで痛みが治まると思います。お大事に。」そういって部屋から出て行きました。
そろそろ昼休みの時間なので、受付に戻っても誰もいません。
「このまま帰って良いのだろうか?」
少々不安になって誰かに聞こうにも、誰もいない…。
「ええっと、困ったな。」
さっきの部屋に戻っても、もう誰もいません。
さらに奥の部屋を覗くと、さっきの髭のおじさん先生がいたので声をかけました。
「あのう。もう帰って良いでしょうか?」
髭のおじさん先生は口をモグモグさせながら(すでに昼休みモードだったようです)
「あ。ちょっと待ってね。」
と言って、受付のお姉さんたちに声をかけ、痛み止めクリームの処方箋をくれました。
そして。本当に会計は0ユーロでしたよ!
↓ 教えてもらった事故専門の整形外科です
Orthopädisch-Chirurgische Gemeinschaftspraxis Savignyplatz Unfallpraxis
「どうしましたか?」