恐怖の税関と便利すぎるmytaxi

今日は税関に荷物を取りに行きました。
日本を出る時に、引越の船便より早く届いてほしい荷物をSAL便で幾つか送ったのです。
ベルリンに着いて数日後、「荷物は税関にあるので14日以内に取りに来るように。内容によっては関税がかかる場合もあります」という内容の手紙が届きました。

「これが噂の恐怖の税関?!」

日本から送った荷物が税関で止まってしまい、取りに来るように通知を受けた話は、ネットで何件か読んだことがありました。
箱を開けられて内容を調べられてしまうのか。税金を払いなさいと言われるのだろうか。でも、送ったのは衣類、食品、雑貨類で、自分で使うものばかりだし…。念のため現金を少し多めに持って出かけました。

地下鉄に乗って駅から歩いて税関へたどり着いたものの、書いてあるのは全てドイツ語。さっぱり分かりません。ウロウロしてたら職員のおじさんがドイツ語と英語で声をかけてくれました。
「荷物を受け取りに来たんですけど…」
「あっちの建物で受付して、隣の部屋で荷物を受け取るんだよ。」
と教えてくれました。ありがとう、おじさん。

受付のおじさんは少し怖い感じの人でした。荷物の内容を聞かれたけれど、うろ覚えな上に緊張でしどろもどろになってしまって。しょうがないな、という顔をされてしまったけれど、普通に受付番号をくれました。

「税関の親切なおばさん」

次の部屋で箱と対面。良かった!箱を開けられた形跡はありません。
係りのおばさんは
「この書類を書かないと渡せないのよ。ドイツ語の書類だから、誰かドイツ語分かる人に教えてもらって書いて持って来て」
「え?今すぐ受け取れないの?困ったな…。」
と話していたら、後ろにいた別のおじさんが英語の注釈付きの書類を持って来てくれました。
そして。おばさんは付きっきりで書類の内容を確認しつつ、書き方を教えてくれました。

無事に書類を書き終えて荷物を運び出そうとしていたら、
「車で来たの?タクシー呼ぶ?」
「いえ。タクシーを呼んであるはずだから探してみます。カートは後で返します。色々お世話になりました。」とお礼を言って外へ出てみると…。タクシーがいない。困った。
重い箱が乗ったカートをガラガラ押しながらウロウロしていたら、さっきのおばさんが心配して様子を見に出て来てくれました。
「荷物をいったん中へ入れて、タクシー探しておいで。」どこを探してもタクシーの姿はありません。手続きに時間が掛かりすぎたから痺れを切らして帰ってしまったのかもしれません。仕方がないので、昨日の夜調べておいたmytaxiを使ってタクシーを呼んでみました。ものの2分でタクシーが現れて、あまりの早さにビックリ。
タクシーに荷物を積み込むまで、おばさんはカートと一緒にずっと待っていてくれました。
「次は船便が来る予定なので、その時にまた来るかもしれません。本当に助かりました。ありがとう。」
「ここにも日本語が分かるスタッフが一人いるから、その時は彼が居る日だと良いね。」
本当にありがたくて嬉しくて、思わず握手をして帰ってきました。

「便利すぎるmytaxi」

mytaxiのおじさんはすごく背が高い人でした。タクシーの運転席に乗り込む時も、頭がぶつかりそうです。
「英語は話せますか?」
「ちょっとだけね。」
「今日初めてmytaxiを利用したんです。出来れば荷物を家まで運ぶのを手伝ってもらえませんか?」
「う~ん。君も知ってる通り、僕はただの運転手だからねぇ。」
「あ。もちろんお礼はします。どうかお願いします。」
「ま。良いよ。」
結局、大きな箱4つのうち重い3つを玄関まで運んでもらいました。本当にありがとう。助かりました。
それにしても頼んで2分でタクシーが来るなんて。mytaxi、便利すぎです。

「SAL便祭り」

夕方は息子とSAL便の箱を開けてお祭り騒ぎでした。待っていた荷物が次々と出てくるので大盛り上がりです。
そして仮住まいだったアパートが、だんだん家っぽくなってきました。
夕飯は早速、届いたうどんを食べました。(私も息子も大の麺好きなのです)

ちょっと具が微妙。

「縁のある人は…」

税関で親切にしてくれたおばさんが、誰かに似ていて、どこかで会ったような気がして、ずっと考えていました。
夜、一人でお風呂に入っていた時、急に答えが出てきました。
20数年前、1ヶ月だけニュージーランドへ短期留学したことがあったのですが、その時のホームステイ先のお母さんでした。顔も体系もしゃべり方もそっくりです。
なんだか不思議な気持ちでした。
「縁のあった人とは、また違う形で再会することが出来るのかもしれない。この先も、知っている誰かに似た人に、また出会うかもしれないなぁ。」
西洋式の細長バスタブに寝っ転がりながら、そんなことを考えていました。

ABOUTこの記事をかいた人

みなさま、はじめまして。 「空色かえる」の「あくてぃ」と申します。 2018年からベルリンに住んでいます。かえるのイラストは息子が描いています。